庭園 2015 9 13

書名 日本の名庭園 一度は訪れたい名庭園50選
出版社 宝島社

 日本の有名な庭園というと、
石川県の兼六園、岡山県の後楽園、茨木県の偕楽園でしょうか。
 私が、この本で印象に残ったのは、
近代の名庭園である島根県の足立美術館庭園です。
 足立美術館は、日本画の巨匠・横山大観の作品を中心に展示する美術館ですが、
美術館の創設者が「庭園も絵画である」という考え方を実践したものです。
 これが日本庭園で最も美しいと思いましたが、
東京からは、遠く離れています。
 最寄駅は、島根県の山陰本線の安芸駅です。
多くの人が、「かなり遠い。気楽に行ける場所ではない」と思ったでしょうが、
この庭園は、アメリカの日本庭園専門誌である、
「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで、
2003年から12年連続で日本一の庭園に選出されたそうです。
 昔、読んだ本に、
欧米人には、日本特有の「わび・さび」の世界は理解できないと書いてありましたが、
これは誤解であり、
欧米人も、日本の「わび・さび」の世界に感銘していると思います。
(注)
 「わび」とは、日本人の美意識の一つで、
「不足の美」を表現する美学だと思います。
 この「不足の美」とは、
「不足のなかに心の充足を見出そうとする意識」のことです。
 「さび」とは、
静寂のなかに、「奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」のことです。
(一部ウィキペディアから引用)
(参考)
 私は、ふと「旧約聖書」のコヘレトの言葉を思い出してしまいました。
「なんという空しさ、
なんという空しさ、すべては空しい。
 太陽の下、人は労苦するが、
すべての労苦も何になろう。
 一代過ぎれば、また一代が起こり、
永遠に耐えるのは大地。
 日は昇り、日は沈み、
あえぎ戻り、また昇る。
 風は南に向かい北へ巡り、めぐり巡って吹き、
風は、ただ巡りつつ、吹き続ける。
 川はみな海に注ぐが海は満ちることなく、
どの川も、繰り返し、その道程を流れる。
 何もかも、もの憂い。
語り尽くすこともできず、
目は見飽きることなく、
耳は聞いても満たされない。
 かつてあったことは、これからもあり、
かつて起こったことは、これからも起こる。
太陽の下、新しいものは何ひとつない。
 見よ、これこそ新しい、と言ってみても、
それもまた、永遠の昔からあり、
この時代の前にもあった。
 昔のことに心を留めるものはない。
これから先にあることも、
その後の世には、だれも心に留めはしまい」
(「聖書 新共同訳」から引用)



























































































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